書籍
ヘンポーライ往来 明治釈迦力列伝
ヘンポーライオウライ メイジシャカリキレツデン

- 定価 本体2,200円+税
- 判型 46判並製
- 頁数 372頁
- ISBN 978-4-908110-23-8
本の内容
日本近代の黎明期、面白すぎる人生を送った、知られざる先人たちがいた!――今に続く世の中を、確かに変えた奇人、変人が大集合!!
昔は今よりも〈変梃(ヘンテコ)な人〉というのがたくさんいたようで、その〈変〉もどこか突き抜けて「へんだけど、なんかすごい」みたいな人のことは〈奇人〉と呼んだりしていますが、こうした一風変わった人たちのことを、今の「多様化の時代」「正解のない時代」にもう一度掘り起こしてみるのもおもしろいかな……と考えました。
ところがこうした〈変方来(へんぽーらい)〉な人たちは、どうも自分の名とか事跡を残そうという発想が希薄らしくて……伝記類はほとんど残っておらず、当時の聞き書きなどに「そういえば、そんな人がいたっけか……」と奇天烈なエピソードがわずかに語り残されているばかり。歴史の中には、教科書には出てこないようなへんてこりんでおもしろい人物がまだまだいっぱいうごめいているようです。
そして、その〈変方来〉な人々の生きざまをつぶさに見ていくと……とにかく夢中になって一途に我が道を突き進む姿は、どこか武道とか、医道、芸道などの〈○○道〉にも相通じるものがあるようにも思われるのでした。
今回取り上げた六人に共通するのは、〈江戸っ子的な気風〉です。実際に、高橋瑞以外は生粋の江戸っ子で……どうやら江戸っ子というのは、〈粋〉で〈いなせ〉というよりも、一途に〈変梃〉……というのも特徴のひとつであると思うのですが、最近語られる江戸っ子というのは、そのへんが欠落しているような気もします。
……変梃なところがいとおしいのに
――あとがきより
【ヘンポーライな人々】
三浦乾也 みうらけんや
尾形乾山の弟子の陶工でありながら日本初の洋船を造り、東京で初めてガラスを焼いたり碍子の作ったり、言問団子の皿も作る。
尾﨑谷斎 おざきこくさい
文豪尾崎紅葉の父でありながら赤い羽織の幇間(たいこもち)として花柳界の有名人にして牙彫(げちょう)(動物の牙の彫刻)の名人。
北庭筑波 きたにわつくば
浅草に写真館を開き「平米雷(へべらい)先生」として日本初の写真雑誌を創刊して写真ジャーナリズムの先駆けとなった。
榊原鍵吉 さかきばらけんきち
直新陰流の剣豪。講武所剣術教授方となり、将軍家茂上洛を警護して信任を得る。維新後は町道場を開き撃剣興行や「天覧兜割り」で名を遺す。
高橋 瑞 たかはしみず
上京し苦学しながら日本の女医「第三号」となり日本橋で開院。貧者からは謝礼を取らない女医として慕われ、単身ベルリンに留学する。
平岡吟舟 ひらおかぎんしゅう
機関車の製造をアメリカで学び鉄道工業の先駆者でありながら、粋人を極め、三味線音楽東明流を創始するほか、優れた工芸品を後世に伝えた。
著者紹介
作家。日本大学芸術学部映画学科卒業後、CBSソニーを経て日本映画監協会に勤める傍ら、江戸風俗画家三谷一馬氏に事して江戸の風俗を学ぶ。2003年、『秋の金魚』で小学館文庫小説賞受賞。『がいなもん松浦武四郎一代』で第3回北海道ゆかりの本大賞、第25回中山義秀文学賞、第13回舟橋聖一文学賞を受賞。ほかに「国芳一門浮世絵草紙」シリーズ、『どぜう屋助七』『遊戯神通伊藤若神』『ニッポンチ!国芳一門明治浮世絵草紙』などの著書がある。
日本の男性アニメ監督、脚本家。日本映画監督協会会員。日本アニメーター・演出協会(JAniCA)会員。代表作に『タッチ』、『銀河鉄道の夜』、『ストリートファイターII MOVIE』、『あらしのよるに』など。京都精華大学名誉教授。「第49回日本アカデミー賞」にて「会長功労賞」を受賞。
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