書籍
Publication
肥満 梟雄 安禄山の生涯
ヒマン キョウユウ アンロクザンノショウガイ
内容紹介
絶頂期の唐王朝に幕を下ろさせた“悪食の巨魁”安禄山の生涯を、“現代最強の作家”東郷隆が鮮やかに描きった歴史巨編!
唐帝国は8世紀初頭の皇帝玄宗の時代に朝鮮半島から中央アジア(=西域)に至る広大な版図を支配し絶頂期を迎えた(「開元の治」)。安禄山は唐帝国に靡(なび)いた「蕃夷」のひとつ「ソグド族」出身であるとされる。華夷思想(中国は世界の中もっとも卓越した国で、周辺は文化的に遅れた低劣な地であるとする考え方)にとりつかれた漢民族は周辺の異民族を蔑視し続けた。安禄山は祆教(ゾロアスター教)徒から驚天の諜報網と無尽の資金力を得て、巨額の賄賂、陰湿な謀略を繰り返しながら巨大勢力にのし上がり、ついには皇帝玄宗の寵愛を獲得するまでに至った。さらにウイグル・ソグド・契丹・突厥ら戦闘能力の高い異民族からの強大な軍事力の支援を背景に、ついに漢人官僚帝国・唐打倒のために立ち上った!
目次
- 第一章 商賈禄山、触相を得て悪鉄に転じる事
- 第二章 捉生将となり、数々の武勲を立てる事
- 第三章 姉妹の舞姫を得て、将官に出世する事
- 第四章 左驍衛将軍禄山、作楽川に大敗する事
- 第五章 禄山辛くも首を繋ぎ、祆教徒の後楯を得る事
- 第六章 薩寶達阿を暗殺し、暫し後、新節度使に任じられる事
- 第七章 胡騰舞を天覧に供し、漠野に剺面截耳する事
- 第八章 宿敵楊国忠登場し、禄山、東平軍王に封じられる事
- 第九章 禄山嬰児と化して、楊貴妃と艶聞を流す事
- 附け足り
- 禄山、再び契丹に大敗する事
- 第十章 父子軍蜂起して洛陽を落し、帝位につく事
- 第十一章 貴妃馬嵬に死を賜わり、禄山、家賊に討たれる事
著者紹介
1951年神奈川県横浜市生まれ。国学院大学卒業。同大学博物館研究助手、編集者を経て作家に。94年『大砲松』で吉川英治文学新人賞、04年『狙うて候』で新田次郎文学賞を、12年『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一文学賞を受賞。ほかに『戦国名刀伝』『初陣物語』など著書多数。
ご購入